二つの酸素のチカラで蘇るカラダ。
溶存酸素の浸透圧を高め細部の活性化を促します。
現代人は社会のストレスや大気汚染による酸素不足が原因で、病気や老化などの様々な悩みをかかえるようになりました。人間の身体には約60兆個の細胞があり、そのすべてが酸素を必要としています。高気圧酸素ルームは溶解型酸素の浸透圧を高める酸素セラピーにより、身体の各機能を整え、健康増進が期待できます。
「結合酸素」と「溶存酸素」
「結合酸素」とは通常の呼吸で得られる酸素で、血液中のヘモグロビンに依存して融合し、血管に運ばれています。そのためヘモグロビンの大きさは細い毛細血管を通り抜けるには限られてしまいます。しかし「溶存酸素」はヘモグロビンと融合していない酸素で、しかもヘモグロビンより小さいため、毛細血管を通りやすく体内により多くの酸素を送り込むことができます。
高気圧酸素(1.3気圧)の環境に滞在すると下記のような効果が得られます。
血液の中では、赤血球中のヘモグロビンが酸素と結合し、これを結合酸素といいます。通常の空気ではヘモグロビンの98%~99%が既に酸素と結合(酸素飽和度)しており、酸素をその後いくら吸入しても、酸素飽和度は100%を頭打ちに増加しません。
血液の液体成分である血漿自体に溶け込む酸素を、溶存酸素といいます。溶存酸素は酸素の圧力(さきほどの酸素分圧)に比例して溶け込みますので、酸素分圧が1.3倍になれば、溶存酸素も1.3倍になります。しかしながら、溶存酸素は結合酸素に比べ少量で、大気圧では溶存酸素0.31 vol%、結合酸素20.74 vol% (vol%=mL/dL)です。
POINT
赤血球中のヘモグロビンが酸素 (これを結合酸素といいます) を結びつけて全身に運びます。高気圧酸素の環境では、結合酸素が増大します。また、全身を流れる酸素が増大するこ とによって、安静時の心拍 (脈拍) 数が減少します。
血液の大きな役割のひとつが、肺から酸素を受け取って身体中へと運び、身体中からは二酸化炭素を受け取ってこれを肺に戻すことです。 酸素が血液中に溶ける量はその気体の圧力(分圧)に比例します。気体の溶けやすさは気体ごとに違います。酸素は1mmHg につき血液100mlで0.3ml溶けます。これは二酸化炭素の溶けやすさに比べて1/20にしか過ぎません。
ヘモグロビンは1分子当たり4つの酸素分子を結合する能力があります。ヘモグロビン1g には酸素 1.39mlが結合できます。血液100mlには約15gのヘモグロビンが存在していますので、血液 100mlで20.4mlの酸素がヘモグロビンに含まれることになります。
ヘンリーの法則
溶解度の小さな気体(たとえば酸素、窒素)が溶媒(たとえば水)に溶ける場合の、気体の2つの性質のことを指しています。
※溶解度とは
ある温度、ある圧力で溶質がそれ以上溶けなくなった溶液を飽和溶液といい、その溶液の濃度を溶解度といいます。アンモニア(NH3)や塩化水素(HCl)などは溶解度の大きい気体でヘンリーの法則は成り立ちません。
温度が一定の気体では、一定量の溶媒に溶けることができる気体の物質量は、その気体の圧力に比例します。気体にかかる圧力が強ければ溶媒によく溶け、圧力が弱ければ溶媒に溶ける量が少ないということです。
溶ける気体の体積は、測定した圧力のもとでは一定です。 溶ける気体の体積は圧力に比例して増えて、そのあと増えた分だけ減少しており、結果的に反応前と体積は変わりません。 ヘンリーの法則に関する身近な現象は、炭酸飲料水です。 炭酸飲料水の入っている容器を開けると、溶液から気泡(二酸化炭素 CO2)が発生します。 この二酸化炭素の気泡の発生は、ヘンリーの法則によるものです。 炭酸飲料水は、高圧にして二酸化炭素を溶かしています。ところが、栓を開けると二酸化炭素の分圧が小さくなります。そのため、溶けきれなくなった二酸化炭素が気体として発生するのです。
血液中に溶け込んだ酸素を溶存酸素といいます。高気圧酸素の環境では、ヘンリーの法則により溶存酸素が増大します。溶存酸素は血液中に直接溶け込んでいるので、手先、足先、心臓、脳や眼の末端 の細胞まで流れていきます。
過食や運動不足によって、赤血球が連鎖したり、凝集するために、ドロドロした血液になり ます。一方、高気圧酸素の環境では、サラサラした血液になります。
細胞から排出された二酸化炭素が血管を拡張します。また、交感神経の活動を抑えること によって血管が拡張します。高気圧酸素の環境では、末梢の血管が拡張することによって、 血流が増大して皮膚温が上昇します。
手のひらの表面温度の変化
普通環境
高気圧酸素環境
ストレスが蓄積すると、自律神経 (交感神経と副交感神経) の働きが乱れたり、交感神経 の過剰な活動を引き起こします。高気圧酸素の環境では、交感神経の過剰な活動が抑えられ、自律神経の活動が安定します。
普通の環境に滞在した場合と高気圧ルームに滞在した場合の自律神経活動の安定化。
自律神経には、交感神経と 副交感神経の2つがあります。 日中 (活動時) は、交感神経の活動が積極的になります。 また、緊張したり、ストレ スが加わると交感神経の活動が優位になります。 一方、夜間、リラックスしている時、食事後には、副交感神経の 活動が積極的になります。 自律神経活動の安定を判断する指標として、[交感神経の活動/副交感神経の活動] があります。 日中 (活動時) に測定して、0.8 から2.0 の範囲であれば自律神経の活動が正常となります。 交感神経の活動が優位になると高い 値を示し、副交感神経の活動が優位になると低い値を示します。 普通環境に滞在した場合の自律神経活動は、1.10 (普通環境で30 分経過後の値) から1.50 (普通環境に滞在す る前) でした (被験者:40 歳代の女性)。一方、交感神経の活動が優位であった男性 (50 歳代) は、高気圧酸素 の環境に滞在することによって、交感神経の過剰な活動が抑えられました (高気圧ルームに滞在する前は8.79、 高気圧ルームへの滞在30 分後は2.61、滞在60 分後は2.96)。 高気圧酸素の環境は、交感神経の過剰な活動を抑えて、自律神経を安定させます。